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未来の選択肢はお金の知識で広がる


未来の選択肢はお金の知識で広がる。

株式会社おきなわフィナンシャルグループが挑む金融教育の現在地と、沖縄のこれから



第3回 金融経済教育シンポジウム_サムネイル

2025年11月8日、おきなわフィナンシャルグループ(以下、OFG)主催の「第3回 金融経済教育シンポジウム」が開催されました。


会場には教育関係者、金融機関、大学関係者、学生、一般の方まで多様な層が集まり、

「お金の教育をどう沖縄に広げていくか」というテーマで熱い議論が交わされました。


金融教育と聞くと「なんか難しそう」と思う人もいるかもしれません。


しかし、今回のシンポジウムを通して強く伝わってきたのは、“金融教育=生きる力” を育てることというメッセージでした。


この記事では、基調講演、高校生のリアルな声、パネルディスカッションの内容までたっぷり紹介しながら、OFG・沖縄銀行がなぜ本気で金融教育に取り組むのか、その背景に迫ります。

第3回 金融経済第3回 金融経済教育シンポジウム_看板

 

 OFG・沖縄銀行が金融教育に乗り出した理由

──「子どもの貧困」「金融トラブル」そして“沖縄の未来”


シンポジウムの冒頭、おきなわフィナンシャルグループ・沖縄銀行の山城頭取はこう語りました。


「沖縄全体で金融経済教育を進めていかなければいけません。子どもの貧困の連鎖を断ち切るためにも、若者への教育が不可欠です。」


沖縄県は長年、・県民所得の低さ・非正規雇用の多さ・金融リテラシー全国最下位という厳しい課題を抱えてきました。


特に10〜20代の“金融知識の正答率”は全国でも最下位レベル。

結果として、・奨学金や進学費用に関する知識不足・家計管理ができず生活トラブルに発展・詐欺や悪質商法に巻き込まれやすい・「なんとなく就職」してすぐ離職してしまう...

など、進路選択や人生の選択肢に直結する問題が生まれています。


こうした構造的な課題に対し、沖縄銀行が踏み出したのが「くらしとお金の教室」 という金融経済教育プロジェクト(出前授業の実施)です。


沖縄銀行山城頭取


「くらしとお金の教室」という挑戦


「くらしとお金の教室」は、沖縄県の学生に向けてお金の正しい知識と判断力を身につけてもらうための無料出前授業です。


企業PRや営業目的ではなく、地域の未来を支える金融リテラシー向上を純粋な目的として実施されています。

授業で扱うテーマは、私たちの生活に直結する内容ばかり。


【授業プログラム例】

第1章:家計とライフプラン(働く・稼ぐ・将来設計)

第2章:使う

第3章:備える(社会保険と民間保険)

第4章:貯める・増やす(資産形成)

第5章:借りる第6章:金融トラブル対策


教材は金融庁や金融経済教育推進機構(J-FLEC)が展開する新学習指導要領に対応した教材を使用し、中立性と教育的価値がしっかり担保されています。


対象は沖縄県内の中学校・高校・専門学校。離島の場合はリモート授業にも対応。出前授業・教材の提供はすべて 無料 です。


すでに 延べ11,897名(2024年度〜2025年度上半期) の学生が受講しており、年々規模が拡大しています。

 


長崎県の成功モデルから学ぶ――67団体が連携する「ALL長崎」プロジェクトとは


基調講演では、長崎県全体で金融教育に取り組む「十八親和銀行」の野田常務執行役員が登壇しました。


長崎県は沖縄と同じく、

・金融リテラシー全国42位

・所得水準の低さ

・人口減少や高齢化


といった課題を抱える地域です。こうした状況を変えるために立ち上がったのが、金融機関・行政・大学・教育委員会・企業など67団体が連携する「ALL長崎」プロジェクト。


営業活動ではなく、「地域全体で若者の金融リテラシーを底上げする」 ための取り組みで、年々広がりを見せています。


●高校の8割が参加する県規模のプロジェクトに成長


2024年度には、プロジェクトは驚くべき規模に達しました。

  • 72校(県内高校の約8割)が授業を実施

  • 10,465名の高校生が金融教育を受講

  • 延べ150名以上の講師を派遣


特に実業高校からの要望は多く、特別支援学校にも展開されているとのこと。

「地域一体となって教育する」モデルの代表例として、全国的にも注目を集めています。


第3回 金融経済教育シンポジウム来場者

 


沖縄の高校生が語った“お金の学び”のリアル


シンポジウムでは、OFG・沖縄銀行の授業を受講した高校生4名による座談会が行われました。


彼らの話は会場を大きく沸かせ、金融教育が人生を変える体験になり得ることを強く示していました。

その中でも特に印象的だったのが、沖縄銀行による「1000円投資体験」のエピソードです。


●「投資って怖い」から「仕組みを知れば怖くない」へ


授業では、生徒たちは実際に支店へ行き、1000円を使って投資信託を購入。


結果、

1000円が1,100円に増えていたり、


ニュースで見た世界情勢が値動きに影響する様子を体感できたといいます。

この体験を通して、彼らの価値観は大きく変化しました。

  • 投資=危険・ギャンブル → 「仕組みを知れば怖くない」

  • ニュースは関係ない → 「世界の動きが“自分のお金”に直結していた」

  • 貯金しかないと思っていた → 「お金には“増やし方”がある」と気づいた


ある生徒は、母子家庭で育った自身の経験に触れながらこう語りました。

「お金が大切なのはわかっていたけど、どう管理するかは誰も教えてくれなかった。

投資は知識がある人が使える武器なんだと気づきました。」


SNSを見る時間がニュース閲覧に変わったという生徒もおり、「金融リテラシーが生き方の選択肢そのものに影響する」ことを強く実感させる内容でした。

 

第3回 金融経済教育シンポジウム_高校生座談会


パネルディスカッション

──沖縄が直面する現実と、金融教育の必要性


基調講演や高校生座談会に続くパネルディスカッションでは、沖縄の金融機関の代表者や副知事、J-FLECの理事長などが登壇し、沖縄で金融教育が必要とされる背景について議論が行われました。


沖縄では

  • 金融トラブル経験率:9.2%(全国平均7.3%より高い)

  • 10〜20代の金融知識の正答率が全国最下位レベル

  • 家計管理・ライフプランの知識不足が顕著

といった現状があります。


●金融リテラシーが不足すると…

  • 無計画な奨学金利用

  • 生活費の管理ミス

  • “条件だけ”で就職を決めて後悔

  • 詐欺に遭いやすい、ギャンブル依存のリスク


●逆に金融リテラシーが高まると…

  • トラブルが圧倒的に減る

  • 家計と将来の見通しが立てられる

  • 進路や就職を自分で判断できる

  • ライフプランを描く力が育つ


つまり、金融教育は単に「お金の使い方」を学ぶ授業ではなく、人生の選択肢を広げるための基礎づくりなのだと感じました。


OFG・沖縄銀行が目指すのはこのパネルや基調講演を通して一貫して語られていたのは、「金融教育は、未来への投資である」という強いメッセージでした。


OFG・沖縄銀行では、金融教育を銀行の仕事の延長とは捉えておらず、むしろ、沖縄の子どもたちが将来を自分で選べる力を育てるための、社会的な使命だと位置付けているのだと感じました。


●銀行が一社でやる時代ではない


パネルディスカッションでは、複数の頭取がこう語っていました。

「金融教育は、一企業だけでやっても広がらない。

沖縄県全体で、金融機関が連携して取り組む必要がある。」


沖縄県は、全国でも最も金融教育の「地域間格差」が大きいと言われています。

だからこそ、沖縄県全体で進める体制づくりが不可欠です。


●「沖縄モデル」をつくるために

沖縄銀行、琉球銀行、沖縄海邦銀行、行政、教育委員会、そして金融庁や日本銀行

それぞれの立場を越えて協力し、沖縄版の金融教育モデルを作ろうとしています。

掲げている目標は明確です。


  • 2028年|金融リテラシー全国最下位から脱却

  • 2031年|全国平均以上へ到達

  • すべての中高生が金融教育を受けられる環境へ


前半の議論で浮き彫りになった課題は、

後半で語られたOFG・沖縄銀行がなぜ金融教育に取り組むのかという理由へ、自然とつながっています。


沖縄の現在地を直視しながら、

子どもたちが未来を自分で選べるようになるための「地域ぐるみの挑戦」が、まさに今始まっています。

 

第3回 金融経済教育シンポジウム_パネルディスカッション

金融経済シンポジウムに参加しての感想


お金の話って、どうしても「むずかしそう」「大人になってからでいいや」って思いがちです。


でも実際は、進路、就職、留学、一人暮らし、結婚、起業…

人生のあらゆる選択に“お金の知識”が関わっています。


OFG・沖縄銀行の取り組みは、

みなさんが“将来の選択肢”を増やすためのサポートなんだと思いました。


  • 貯金だけが正解じゃない

  • 投資も怖くない

  • お金の知識があれば、人生はもっと自由になる


金融教育は、あなたの未来を守る「武器」であり、やりたいことを実現する「味方」 です。


そして、これからの沖縄をつくっていくのは、まさに今の高校生・大学生のみなさんです。


シンポジウムを通して、「金融教育は誰にとっても必要で、そして沖縄にとっても本当に大切な取り組みだ」と、心から感じました。

 
 
 

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